柿の葉寿司について美味しい食べ方や歴史、柿についてつらつらと書いております●
奈良名物と聞いて皆さんは何を思う浮かべるでしょうか?
奈良漬け、葛、飛鳥鍋、茶粥とかでしょうか。最近だと大和地鶏や大和野菜とかも注目されますよね。
正直地味さが拭いきれない。
今回は奈良名物代表として「柿の葉寿司」をフューチャーしてみたいと思います。
これまた地味さがハンパないですが、実は奥深い食べ物なのです。
柿の葉寿司とは?
柿の葉寿司とは、塩漬けした魚の切り身などをご飯と一緒に柿の葉に包んだ押し寿司の総称です。
主に奈良、和歌山の郷土料理として知られています。
食べる時は葉っぱは剥がして食べます。よく外国人観光客がそのまま食べてる所を目撃するのですが、美味しくないのでオススメしません…。
ネタは鯖、鮭、鯛がメジャーですが、海老やさんま、さわらなどの季節の旬の魚や、山菜、椎茸などの変わり種も色々あるんですよ。
柿の葉寿司の歴史は、奈良が山だらけだから
柿の葉寿司の歴史は江戸時代からと言われています。奈良、特に吉野地方は山に囲まれており、海の魚を食べるのが困難でした。
そこで保存の効く塩漬けした魚を持って行ってたのです。が、移動に時間がかかる為食べる時には塩が効きすぎて「しょっぺー!」となっていました。
その為、塩気を和らげる為にうすーく切って、ご飯と一緒に食べたのが始まりです。たまにネタの薄さに怒る人がいますが、分厚いと塩辛くて食べれないのです。
柿の葉っぱに包み出したのは、柿の葉には殺菌作用がある事が認知されてたからなのですが、これによって数日間は保つようになります。
殺菌作用だけでなく、葉っぱの良い香りがお寿司の風味をアップさせたり、形が崩れにくくなる為、持ち運びに優れるという効果もあります。
これにより、奈良吉野地方では夏祭りのご馳走や、お祝い事にも使われて広まっていったのです。
柿の葉寿司の使い方
柿の葉寿司のウリは日持ちすること
現在では柿の葉寿司は自宅で食べるのももちろんですが、日持ちするので手土産や地方への発送にも使われています。
新幹線の車内でも販売されるようになりました。
特にお中元やお歳暮のシーズンに買い求める方は多く百貨店なども混雑しております。
年末年始もご飯炊くのはめんどくさいんで重宝してる人も多いみたい。
柿の葉寿司は皇族の方が奈良にお越しになられた際の献上品としても使われており、格式も持っております。
吉野杉の桶し入れられた豪華なセットは気合入った贈り物にも最適。
手土産と言えば、普段は塩漬けした葉っぱを使うのですが、春の若葉の季節や、秋の紅葉の季節には特別な柿の葉寿司を販売するお店も多いです。
若葉は香りがめっちゃ良いですし、紅葉は見た目が綺麗なので、お店によっては予約開始で即日完売のところもあるんです。
発売開始日はツイッターでも買えなかった阿鼻叫喚が多数見られたのね。
柿の葉寿司のウリは分けやすいのと運びやすいこと
柿の葉寿司は葉っぱに包まれてるから、形が崩れないのでピクニックにも便利です。
横になっても全然平気。ガタガタ揺れても全然平気。
山の上で食べるお寿司ってのもなかなかオツなもんですぜ。
また、小分けしやすいご飯ものってことで、パーティーや運動会のお弁当にも使われています。
お皿もお箸もいらないので食べやすし、手も汚れません。
ホテルのパーティーでは豪華に桶が並ぶのね。
奈良県民は手土産に悩んだらとりあえず買っとけなところがあります。
柿の葉寿司の楽しみ方
柿の葉寿司の保存は常温でOKです。大体翌日か明後日までの日持ちで販売されてます。
「こんな暑い日やのにか?」と仰る、常温を気温と勘違いしてる方がおられるのですが、常温とは暑くも寒くもないという意味です。
なんで乾燥しないように箱ごと新聞やタオルに包んで、野菜室に入れれば完璧です。
シンプルなお寿司なんで、トッピングも結構楽しめるんです。
キムチやチーズ、奈良漬けなんかの発酵食品は発酵同士で相性いいし、醤油だけでなく焼き肉のたれやオリーブオイルなんかでもイケます。
オーブン、出来たら七輪で葉っぱに包んだままで焼くと、魚の脂がじわっと広がり葉っぱの香りも強化されてまた違った食べ物として頂けます。
詳しくはこちらを見てね。
また、柿の葉寿司は慣れ寿司なんで日が経つにつれ味も変化していきます。初日は塩も効いてて味が濃く、2日目は熟成されてご飯とネタが馴染みます。
古くから食べてるベテランの中には1週間寝かす人もいるらしい…。どんな味になるんやろ…?推奨ではないのであくまで自己責任で!
柿の葉の効用について
なんで日持ちするんじゃいと疑問に思いますよね。
それは柿の葉には多く含まれるタンニンが非常に優れているからなのです。
タンニンはポリフェノールの一種で、抗菌・抗酸化作用に効果があります。これにより日持ちもするし、すし飯の乾燥も防ぐのです。
これはかなり昔より知られてたみたいで、先人よく発見したな!と感心。
またビタミンCがレモンの10倍と豊富に含まれており、葉っぱは熱にも強いのでお茶にしても破壊されず、柿の葉茶なんてのもあるんです。
シミ・ニキビの発生を抑え、腸内環境も整えて、さらに免疫力もあがるという。どんなけ優秀やねん。
最初は苦味を感じるかも知れませんが、慣れてくるとそれが美味しさに感じるので是非試してみて下さい。
奈良で愛されてる柿たち
最後に柿の葉寿司以外でも奈良では柿が愛されてるので、お店なんかも紹介したいと思います。
柿の葉寿司のお店では、奈良だと平宗さん、いざささん、たなかさん、ヤマトさんなどがメジャーです。
小さい個人店でも多く作られており、むしろそっちの味の方が通にもウケております。食べログやブログなどで検索するとそれぞれこだわりのあるお店でファンも多いです。
柿の葉寿司の販売店いろいろ案内
平宗さんは吉野を発祥としたお寿司屋さんで、副業の旅館での振る舞い料理として始められたのがきっかけです。
創業は1861年とめちゃめちゃ歴史のあるお店で、奈良町では柿の葉すしのお店に併設して古民家のお食事処もやってらっしゃいます。
いざささんは奥吉野の個人店からスタート。柿の葉寿司だけでなくちまきや棒寿司、おせち料理なんかもやってらっしゃるお店です。関東方面にも積極的に進出されてて、関東では一番メジャーなお店かも。
東大寺前の夢風ひろばにもレストラン併設のお店を出店されてます。
たなかさんは奈良五条の大工で、併設の食堂のまかないが人気を呼んで販売されるようになりました。柿の葉寿司のシェアではNo1のお店です。
奈良では近鉄奈良駅を東西に挟んで2件、JR奈良駅では銘品館にて販売されています。
ヤマトさんはもともと給食宅配業の会社で、外食産業も盛んにやってらっしゃいます。夢宗庵というレストランは柿の葉寿司の販売だけでなく、本格的な握り寿司も楽しめるお店です。
奈良町周辺の柿いろいろなお店
柿をふんだんに使用したもなかやケーキなどなど、柿にこだわりまくった人気店「柿の専門」さん。
三条通りにお店があります。
柿の葉の飴がめずらしい「ならBonbon」さん。添加物ゼロの体に優しいお菓子を販売されてます。
もちいどのセンター街にお店があります。
果物屋さんのサンドイッチ専門店「ICHIBANYA FRUITS CAFE」さん。カフェも併設されています。
もちいどのセンター街にお店はあります。
果物園が直営でやられている「堀内果実園」さん。店内カフェではスムージーやテイクアウトのカットフルーツを販売されています。
三条通りにお店はあります。
こだわりのお蕎麦屋「かえる庵」さんでは自家製の柿の葉寿司が頂けます。
三条通りにお店はあります。
奈良漬けの老舗「山崎屋本店」さんでは、うりだけでなくメロンや柿の奈良漬けも販売されています。
東向商店街にお店はあります。
以前はカルビーから「柿の葉すしポテトチップス」が販売されました。
皆さんに柿の葉すしの魅力は伝わったでしょうか。
奈良みやげとして奈良に来られた際には是非買ってくださいね。
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